問題指摘ばかりのレポート〜若き日の失敗

今回は私の失敗体験の話です。

 

29歳の頃、私は新卒採用事業部の営業課長でした。

営業担当時代からの担当顧客であった大手メーカーA社に

組織風土改革活動を提案し取り組みました。

 

それまでA社と新しい技術を生み出すような積極的な学生を採用するべく

色々な提案をして取組んできましたが、なかなか成果が上がりません。

A社の安定志向の社風、おとなしい組織風土が原因でした。

 

どうしたものか悩んでいたその頃、隣にいた教育事業部が

A社の組織診断調査を既に何年にも渡って実施していた事を知りました。

自分がそれまで感じていたことがデータとしてまとまっていました。

「これは使える!」と思った私は、そのデータを使って

A社の組織風土の問題点をレポートにまとめました。

 

・新しいことに挑戦しようとしない

・管理職が非常に保守的

・言われたことを真面目にこなす受け身体質

・会社全体がぬるま湯的風土になっている

・・・・・

 

このレポートはインパクトがありました。

「これがうちの組織の課題だ!よく捉えている」

レポートを報告するたびにそのような反応を得ました。

 

そして、教育事業部やブレーンの力を借り組織風土改革の提案を考え

最終的には社長への提案を経て、実際の活動を展開していきました。

 

しかしうまく行きませんでした。

A社に入り込んで色々な活動をしましたが、1年程経過しても

目立った変化を起こせませんでした。

原因は私やプロジェクトメンバーが強引に引っ張っているだけで、

肝心のA社の社員や管理職に火が付かなかったからです。

今から考えれば当たり前のことです。

勢いだけで突っ込んだ当時の私には分かっていませんでした。

 

そもそも外部からは問題点を直言することが求められているものです。

社内でも薄々分かっていることだが、外部から痛いところを指摘してもらい、

危機感を醸成したいというのが狙いでしょう。

当時流行っていたコンサルタントもそのアプローチだったので、

何の疑いもなく自分もやってみたのです。

 

プロジェクトをたたむ時、浅はかだった自分を反省しました。

右肩上がりの業界、急成長の会社、元気な社員の集団であれば、

問題指摘で良いのですが、そのような会社はそもそも

組織や人の課題をそれほど抱えていません。

 

一番の反省は、自分のレポートによってある事業部の部長が

異動になってしまったことです。本当の理由は分かりませんが

何らかのきっかけになったのは確かだと思っています。

この仕事は人の人生に関わるものだということを思い知りました。

 

安易な問題指摘はしない。

問題課題の発見と同時に社員の中の前に進む原動力を発見する。

その責任と覚悟を持って取り組もうと心に決めました。

 

そこからリクルートコミュニケーションエンジニアリングでの

修行が始まったのです。