「相手の立場に立つ」とは「自分の立場を一旦捨てる」こと

 

少し大げさな表現をしますが、

相手の立場に立つには、自分の立場や役割を一旦捨てて

考えないといけないと思っています。

 

以前もこのブログで

相手の立場に立つつもりでも、端から客観的に察したり、

こちらの勝手な価値判断で決めつけてしまうもの。

相手の立場に立つとは

・相手の置かれた現実状況をできる限り掴んで

・自分だったらどう感じ考えるかをイマジネーションして

ということだということを書きました。

 

これが利害関係のある相手の場合、

営業場面〜売り手と買い手の関係や、交渉場面ではなかなか難しい。

 

「顧客の立場に立っている」と言いながら、

実際は売り手(営業)の立場から離れられずに、

その立場で出来る範囲を前提に置きながら考えるものです。

 

それはそうです

無理難題ばかりが出てきそうだ

応えられないような要望を想像したって意味がない

そもそも顧客はそこまで要望期待していない

・・・・・・・・・・・・

 

しかし、そこを超えることが相手との信頼を創造します

 

ある社長が話してくれたエピソードです。

 

中国での合弁先を自分で開拓すべく何社にもアプローチして、

ようやくパートナー候補と出会い交渉をスタートさせました。

しかし、なかなか話が進みません。

「ここまで良い条件を提示しているのに何故話が進まないんだ・・・・・」

滞在先のホテルで途方に暮れかかったとき

「相手から見れば、関西の名もない小さな会社。当然だな」と思い、

翌日、自社製品の設計図を見せて「試しに一緒に作って見ませんか?」と提案。

相手の技術陣は驚き「そんなことして良いのか?」と逆に心配されたそうです。

そこから話が急展開し良きパートナーを得られたのです。

 

「社員に『相手の立場に立って考えろ!』と言ってきたけど、

俺ができていなかったわ」と話してくれました。

 

また、元セブンイレブンの鈴木さんのエピソードを思い出します。

 

鈴木さんは「お客様のために」でなく「お客様の立場で考えろ」

とよく言っていたそうです。

そう言っていても、なかなか自分の立場を捨てきれない。

そこを社長として決断してきたんだと感じるエピソードです。

 

赤飯の開発エピソード

鈴木さんが、試食で一口食べて赤飯本来の味でないことに気づき、

製法を聞くと、ご飯と同じ炊飯の生産ラインで「炊いている」とのこと。

開発スタッフは工場に蒸す設備がなかったため、今ある設備を使って

いかに美味しい赤飯をつくるかを一生懸命考えていた訳です。

売り手の都合を優先した「売り手の立場で」の発想だったのです。

鈴木さんは蒸す設備投資を即決して開発を進めました。

結果、和菓子屋など専門店に引けをとらない大ヒット商品になったそうです。

 

相手の立場に立つには、自分の立場を一旦捨てないといけない。

自分の立場や役割を捨てて考える勇気がいるのです。

 

経営者には「相手の立場に立って」考えられる人が多いと感じます。

このようにゼロベースで決断する思考が身に付いているからでしょう。