日経新聞日曜版3月30日の花巻東高校野球部佐々木監督の記事が良かった。
大谷選手が「マンダラチャート」を使って目標を立て実践したことは有名な話しですが、
この監督による指導によるものとは知りませんでした。
記事によると、佐々木監督自身の学生時代
「なりたい自分と自らの行動がずれていることに気づいた。
そこで初めて自分で目標設定をしてみて、その重要性に気づいた」
というご自身の体験が原点にあったようです。
「親も監督も、子どもが目標や進路を定めるように導いてあげるのが仕事だ。
『自主性』という言葉があるが、一歩間違えるとだだの放任になってしまう。
子どもたちが自主性と主体性を持つためには、目標設定の仕方を教えることが重要だ」
というのが監督の考えで、その方法が81マスの真ん中に将来の夢や目標を書き、
その周囲に中間目標や行動計画を書き込む「マンダラチャート」だったのです。
そして、大谷のようなトップ選手でなくても、
目標を細かく設定するための適切な質問をしてあげることで、
普通の子どもたちでも目標は立てられると語っています。
全く同感で、私は企業の研修で同じような考え方で目標設定の支援をしています。
意欲が高い人は、目標が明確で具体的な計画を立てて進んでいますが、
マンネリ感があったり、意欲が低くなっている人は曖昧なままです。
そんな状態にある人達でも、
改めて自分を振り返ることで、自分らしさを活かす目標を描けるのです。
そして達成に向けて具体的な一歩をどう踏み出すのか、どう実行計画を立てるのか
「で、どうする?」と問いを重ねて伴走していくと、目標設定ができていきます。
色んな理由で、“自分の頭で考える”ことを放棄してしまっているだけなのです。
また、企業の管理職や幹部の研修をやっていて思うことは、
リーダーが自分の夢や目標を持っていないということです。
日頃、業務に関わる目標のことしか語っていないのではないでしょうか
管理職罰ゲームなどと言われる時代。自分の事を考える余裕がないかも知れません。
自分の夢やビジョンはあっても、口に出していないだけかも知れません。
だからこそ
「リーダーは自分の目標を周囲に発信して、自分を成長させるべくもがく姿を見せて欲しい。
それが部下への刺激、自分も頑張らねばと思う一番の影響力になる!」
と私はメッセージしています。
佐々木監督は、将来は「米国やアフリカで野球を指導し、社会に貢献したい」と
ご自身の目標を語っています。
このリーダーがいたから、大谷選手や菊池選手が大リーグに羽ばたき活躍し、
良い選手が花巻東高校野球部に集まるんだと実感しました。